第18回「字幕フィルター」

 以前のフィルター構成編にて字幕フィルターについて解説していませんでしたね。匿名希望さんから字幕フィルターについてのお問い合わせがありましたので、今回「字幕フィルター」を解説したいと思います。

 まず、TMPGEnc Video Mastering Works 5(TVMW5)で取り扱う字幕には2種類あります。

 一つは、テレビ放送での字幕やBlu-ray/DVDなどの字幕情報です。この字幕は提供元の意図した位置大きさで表示され、TVMW5では表示のON/OFFだけでその他調整できません。

 もう一つは、字幕フィルターで手動入力または字幕ファイルから入力するものです。字幕フィルターにて、フォント、サイズ、色、背景、位置など自由に調整することができます。

 サブタイトルでは「字幕フィルター」としましたので、本来後者のみ解説すれば良いのだが、両方解説することにする。


テレビ放送/Blu-ray/DVDの字幕の場合
01_字幕放送・DVDなど
 クリップ情報の画面内、映像の▼から "映像のプロパティ" をクリックすると "映像ソースの詳細情報" のウィンドウが表示される。
 字幕情報があれば選択できるはずだ。複数の項目があるが、適切なものを選択し "適用" をクリックする。

02_字幕表示例_カット編集画面
 字幕情報が読み込まれ、カット編集画面でも確認できるはずだ。ただし、サムネイルには適用されていない。

03_字幕表示例_フィルター画面
 フィルター画面でも確認できる。もちろん 字幕フィルター を使用しているわけではない。


ビデオカメラの字幕の場合
 ビデオカメラの字幕には撮影日時が記録されている。ちなみにこの映像は、JVC Everio GZ-HM450で撮影。
04_AVCHDを読み込む
 前項と同じ操作で字幕を選択する。
05_AVCHD_撮影日時
 撮影日時が表示されている。これもまた 字幕フィルター を使用しているわけではない。


字幕フィルターを使用する場合
 フィルター画面、初期状態では 字幕フィルター がないので追加することになる。
06_フィルター編集をクリックする
 画面左下の "フィルター編集" をクリックする。
07_フィルター構成編集_字幕追加
 "字幕" を選択し "追加" をクリックするか、"字幕" をダブルクリックすることで追加できる。
08_字幕フィルターの位置
 手順通りならば画面通り、"音声ボリューム" "映像リサイズ" の間に配置されているはずだ。そうでなければ移動する。("映像リサイズ" の下に配置するとフィルタリングが高速化されるが、今回は解説しない。)


09_字幕フィルター追加完了
 表示したい字幕を手入力するには "追加" をクリックする。
10_字幕テキスト編集
 字幕テキスト ボックスに入力して、"OK" をクリック。


11_字幕開始時間
 画面の現在のクリップ時間は5.00秒です。この位置で字幕を追加すると、その字幕の開始時間は自動的に現在のクリップ時間に設定されます。画面の状態では5.00秒ですね。
12_字幕開始時間は現在クリップ時間
 現在のクリップ時間になっているはずだ。


13_レイアウト編集を行う
 一通り入力したら、レイアウト編集を行う。レイアウト編集ではフォントの種類、サイズ、色、位置を調整することができる。
 画面のように、右下の "編集メニュー" "レイアウト編集"
14_レイアウト編集
 初期状態では、レイアウト番号01になっているはずなので、レイアウト番号01を編集する。
15_レイアウト設定済み
 この画面は説明文が多く、特に説明の必要がなさそうです。
 ボーダーは文字の輪郭部分で、文字色と映像が似た色になると字幕が見えづらくなるため設定しておいた方が良い。
 背景色、上記画面でも設定しています。文字の周りの網掛けです。不透明度も指定できます。
 フェードイン・フェードアウト、字幕の表示と非表示に時間をかけることができる。
 スクロール、通常は右から左や、下から上が自然ですが、逆方向も指定可能。スクロール速度は、各字幕の表示時間で調整します。


16_レイアウト追加
 字幕フィルターでロゴ。レイアウト追加で レイアウト 05:ロゴ を作成。このレイアウトを使用する場合は、字幕のレイアウト番号を作成した番号、ここでは 05 を指定します。


ここまでフィルター構成を施したサンプル動画
ウィンドウ最適化表示
ウィンドウ通常表示



17_ニコニコ動画ライクに
 私自身はニコニコ動画は全く観ないのですが、ニコニコ動画のコメントが流れる様を再現?
 レイアウト編集で、表示位置をずらしてレイアウトを複数作成する。このときスクロールを "右から左へスクロール" を選択しておく。字幕のレイアウト番号は、ランダム、適当に指定しておく。


ここまでフィルター構成を施したサンプル動画
ウィンドウ最適化表示
ウィンドウ通常表示



18_メタデータ引用
 カメラのデータに付加されたメタデータや、クリップ時間やフレーム番号を字幕として表示することができる。
 今回はクリップの時間を表示させることにする。テキストフォーマットで "標準(メタデータ引用テキスト有効)" を選択し、引用テンプレートから "クリップの時間" を選択する。
19_クリップ時間引用
 詳しい方には説明の必要はないでしょうが、表示の段階で置き換わります、はい。
20_文字列追加
 { }内は定義済みですが、その他は自由に入力して構いません。上記画面では、時間表記の前に TCR と表示させました。
21_引用変更
 よくわからない方は変更しない方が良いです。変数名最後の数は桁数を表している。3桁表示なら3、2桁表示なら2、1桁なら数は必要なし。
 必要ない項目は { } ごと削除します。


ここまでフィルター構成を施したサンプル動画
ウィンドウ最適化表示
ウィンドウ通常表示



 今回は字幕フィルターについての解説でした。字幕フィルターを使いこなすことができれば表現の幅が広がることでしょう。

 ノーマルモードおよびタイムライン編集での 字幕フィルター についての解説でしたが、タイムライン編集では テロップ を使用することができる。文字を表示できる点では 字幕フィルター と同じだが、回転角度の変更やより細かなアニメーション、トランザクションを適用することができる。


 一ユーザーの私見として参考にしてもらえればと思います。
 それでは。



(2012/02/17 - 初版)



■ペガシス
http://www.pegasys-inc.com/ja/

■TMPGEnc Video Mastering Works 5
http://tmpgenc.pegasys-inc.com/ja/product/tvmw5.html